【力学I】
(Mechanics Ⅰ)
[物理学科 3群 必修 科目(配当年次: 第1学年 ) ]
 
単  位:2単位 単位認定者: 猿渡茂
授業期間: 前期  15コマ 科目分担者:
授業形態: 講義  週1コマ
 
授業の目的

物理学は、多様な自然現象の仕組みを解明してそれを記述する”簡単”な法則を発見し、それらを体系化することにより自然現象を理解していく学問である。本講義ではその第一歩として、基礎的な力学に内容を絞って、ベクトルと微積分を用いて基本法則から体系的に習得し、そこに表れている物理量の関係を表す数式の美しさを感得する。

教育内容

質点及び質点系の力学を教授する。高校物理の履修者にとってこの講義は復習にすぎないというわけではない。この場合はこの公式を使うといったようにばらばらの知識として覚えるのではなく、力学という一つの体系を理解する。

教育方法

主に板書により講義する。適宜、授業時間内に演習問題を課し、本格的な計算は力学演習で行うので、抽象的概念を考えるレポート課題を毎回提出してもらう。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回

運動の法則と基本概念

猿渡

3次元右手座標系、ベクトル表記法、速度と加速度のベクトル、運動の3法則、慣性系

2回

力と運動

猿渡

等加速度運動、物理量の次元と単位、慣性質量と重力質量、重力による運動

3回

運動量と力積

猿渡

力積-運動量定理、束縛力、すべり摩擦、粘性抵抗と慣性抵抗、自然界の基本的な力

4回

運動方程式の解法(1)

猿渡

単振動、オイラーの公式、定係数同次線形微分方程式、減衰振動

5回

運動方程式の解法(2)

猿渡

変数分離形微分方程式、空気抵抗を伴う落下運動

6回

仕事とエネルギー(1)

猿渡

仕事率、運動エネルギー、仕事-エネルギー定理、線積分・面積分・体積積分

7回

仕事とエネルギー(2)

猿渡

保存力と非保存力、力学的エネルギー、ポテンシャルエネルギー-座標曲線、準静的過程

8回

極座標による記述(1)

猿渡

極座標での運動方程式、等速円運動、単振り子、接線及び法線加速度

9回

極座標による記述(2)

猿渡

中心力、万有引力の法則、万有引力エネルギー、球殻定理

10回

角運動量

猿渡

ベクトル積、角運動量、トルク(力のモーメント)、面積速度

11回

座標系の相対並進運動

猿渡

相対速度と相対加速度、ガリレイ変換

12回

2体問題(1)

猿渡

2体系の運動方程式、質量中心の運動と相対運動、換算質量、角運動量保存則

13回

2体問題(2)

猿渡

惑星の運動、ケプラーの法則の導出

14回

2体問題(3)

猿渡

衝突現象、運動量保存則、実験室系と重心系、2次元の衝突、反発係数

15回

質点系

猿渡

質量中心の運動、質点系の運動量、角運動量、運動エネルギー、2体問題との比較

 
到達目標

力学の基本法則を数式としてではなく、そこに現れている物理量の概念をもとに理解し、個々の事例に応用できるようにする。

評価基準

レポート及び期末試験により総合的に評価する。なお、欠席は減点する。

準備学習
(予習・復習)

講義は教科書を逐一説明するものではなく終わった章を読んで復習するのは必須であり、できれば講義の前に読んで予習することが望ましい。

その他

いろいろな物理量は数式で定義されてはいるが、その実体は抽象的な概念である。それらを理解するには、具体的な問題を解くだけでなく、本を読んで自分の頭で考えることが必要である。高校における物理基礎、物理共に未履修の者に対しては別途補講を行う。

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 考える力学 兵頭 俊夫 学術図書出版社 2,000円+税
参考書 力学キャンパスゼミ 改訂4 馬場 敬之 マセマ出版社 2,520円+税
物理学序論としての力学 藤原 邦男 東京大学出版会 2,400円+税