【錯体化学】
(Coordination Chemistry)
[物理学科 3群 B選択 科目(配当年次: 第3学年 ) ]
[化学科 3群 A選択 科目(配当年次: 第3学年 ) ]
[生物科学科 3群 B選択 科目(配当年次: 第3学年 ) ]
 
単  位:2単位 単位認定者: 吉田純
授業期間: 前期  15コマ 科目分担者:
授業形態: 講義  週1コマ
 
授業の目的

錯体化学は、無機化学・有機化学・物理化学、分子集合体化学などの融合領域であり、
様々な物質を扱う学問である。これら多彩な物質を包括的に理解できるようになるために、
授業前半では分子の対称性を基に金属錯体の構造、電子状態を説明する。
授業後半では、金属タンパク質や錯体集合体(配位高分子・超分子など)を題材としながら、分子構造から性質を理解・説明できるようにする。

教育内容

前半では、群論の基礎を学び、錯体を対称性から分類する。1~2年次の無機化学関連の授業で扱ってきた物質を題材としながら、色などの基本的性質を
、包括的に理解できるようする。
後半では、金属タンパク質や分子集合体などの複雑な3次元骨格をもつ物質を扱う。まず、3次元構造を視覚的に理解する手法を獲得する。その上で、構造から物質の機能を理解する
方法を学ぶ。

教育方法

全授業の2/3は、講義に当てる。残りの1/3は、情報演習室にて演習を行う。
教科書は指定し該当箇所は明示するが、授業は主に配布するプリントを用いて進める。
適宜Moodle上に補足資料を掲載する。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回

序論

吉田 純

自然界及び実社会で見られる無機物を概観する。

2回

金属錯体の概説

吉田 純

これまでの授業の復習を交えながら、結晶場理論を概説する。

3回

金属錯体の色

吉田 純

結晶場理論を基に配位化合物の色を説明する。

4回

金属錯体の対称性(1)~対象操作

吉田 純

対象操作と対象要素を説明する。

5回

金属錯体の対称性(2)~点群

吉田 純

分子、特に配位化合物の点群決定の方法を説明する。

6回

金属錯体の対称性(3)~点群の表現

吉田 純

指標表について説明する。

7回

金属錯体の対称性(4)~演習

吉田 純

第1回から第6回に関連する問題演習を行う。

8回

金属錯体の電子状態示

吉田 純

自らPCを用いてd軌道を図示し、その電子状態を理解する。

9回

金属錯体の対称性と電子状態

吉田 純

対称性から金属錯体の電子状態を理解する。

10回

生物無機化学の概説

吉田 純

ヘムのもつ酸素輸送、電子伝達などの機能について概説する。

11回

金属タンパク質(1)

吉田 純

自ら金属タンパク質をPC上で表示し、内部の錯体構造を理解する。

12回

金属タンパク質(2)

吉田 純

金属タンパク質内部の錯体構造を理解する。

13回

錯体の集合構造

吉田 純

錯体骨格を基に形成される超分子や高分子の構造を説明する。

14回

錯体集合体の機能

吉田 純

錯体骨格を基に形成される超分子や高分子の機能を説明する。

15回

まとめ

吉田 純

全体の確認と復習を行う。

 
到達目標

金属錯体の点群を決定し、指標表を読み取ることができる。
初めて扱う分子あるいは分子集合体を、対称性を基に分類できる。
既知の物質を3次元描画ソフトを用いて表示・解析できる。
代表的な金属錯体について、その性質を構造から予想・説明できる。
代表的な金属タンパク質や超分子の形成・機能に金属イオンが果たす役割を理解・説明できる。

評価基準

期末試験(70%)、課題提出(30%)で評価する。なお、欠席は減点する場合がある。

準備学習
(予習・復習)

指定された教科書や配布プリントで予習し、疑問点を予め明確にしておくこと。
配布プリントの問題演習を行い、授業後に復習すること。

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 シュライバー・アトキンス 無機化学 第4版 D.F.シュライバー, P.W.アトキンス他 東京化学同人 上7,020円、下6,912円
参考書 電子移動の化学―電気化学入門 渡辺 正、中林誠一郎 朝倉書店 3,675円
分子の対称と群論 中崎昌雄 東京化学同人 2,700円