【ゲノム機能学】
(Functional genomics)
[生物科学科 3群 必修 科目(配当年次: 第3学年 ) ]
 
単  位:2単位 単位認定者: 伊藤道彦
授業期間: 後期  15コマ 科目分担者: 田村啓
授業形態: 講義  週1コマ
 
授業の目的

ゲノム機能学では、エピゲノムとゲノム進化の実体を理解すること、加えて多細胞生物における生命現象と生命進化にこれらがどう関わるか、分子的に理解することを目的とする。さらに、現在の分子生物学的研究の視点から未解明問題に対して、講師と学生だけでなく学生間でも議論・討論を行い、生命科学問題に対する考察力、研究という観点からの思考力および独創力を養うことを目標とする。

教育内容

真核細胞のクロマチンレベルでの遺伝子発現機構、生命進化における遺伝子・ゲノム・システム進化を学ぶと共に、トランスポゾン、small RNAとゲノム機能との連関を考察する。また、それぞれの講義で、ゲノムや生命進化に関わる未解明問題を提示する。これに対し、学生に自分の思考力で作業仮説を提案してもらい、更に皆で論議する(→アクティブラーニングを介し、考える力を磨く)。

教育方法

教科書等から抜粋した資料、あるいはオリジナルに作製した資料を、パワーポイントを用いて講義する。毎回、ゲノムや生命進化に関わる未解明問題をこちらで提示し、これに対して、学生に自分の思考力で作業仮説を提案してもらう。これらを皆で論議し、議論の中で他の学生の考え方を享受し、自分の考え方と比較する事によって、自身の思考力と独創力を磨く。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回

ゲノムとエピゲノム

伊藤

エピゲノムとは何か理解する。

2回

真核生物の遺伝子発現機構/エピジェネテイッス1

伊藤

ヒストン修飾と遺伝子発現の関係性を理解する。

3回

真核生物の遺伝子発現機構/エピジェネテイックス2

伊藤

クロマチン動態を理解し、エピゲノムとゲノム進化を考察・議論する。

4回

遺伝子進化1

伊藤

遺伝子重複による遺伝子進化の概要を学ぶ。遺伝子発現制御領域の概要を学び、シス領域進化を考える。

5回

遺伝子進化2

伊藤

性決定遺伝子の分子進化を理解し、考察・議論する。

6回

ゲノム進化1

伊藤

脊索動物の染色体進化・ゲノム進化を理解する。

7回

ゲノム進化2

伊藤

雑種形成あるいは共生におけるゲノム進化を学び、考察・議論する。

8回

エピゲノム、遺伝子・ゲノム進化のまとめ

伊藤・田村

ゲノムと生命現象の連関に関わる未解明問題を考察・議論する。

9回

集団遺伝学

伊藤

中立説、遺伝的浮動を理解し、集団遺伝学的思考から、生命進化を考察・議論する。

10回

生命システム進化1

伊藤・田村

エピゲノム・ゲノム進化いう観点から組織形成システム進化を捉える

11回

生命システム進化2

伊藤・田村

再生・変態・組織リモデリングを考察・議論する。

12回

生命システム進化3

伊藤

性決定システムの多様性を理解し、そのシステム進化を考察・議論する。

13回

生命システム進化4

伊藤

生命進化における性システム存在の意味を考察する。small RNAなどのRNA、トランスポゾンという観点から、生命進化を考察・議論する。

14回

集団遺伝学・生命システム進化のまとめ

伊藤・田村

集団遺伝学・生命システム進化に関わる未解明問題を考察・議論する。

15回

まとめ

伊藤

全体の復習を行い、加えてゲノム機能と生命現象を進化的観点から考察・議論する。

 
到達目標

・エピゲノム/RNAworld/ゲノム進化/遺伝子進化/器官形成システム進化を自分の言葉で語る。
・論理的思考を身に付ける。
・分子生物学的研究の討論ができる思考基盤を作る。
・生命未解明問題に関して、考察力と独創力を養う。さらに、発言力、応用力も養う。

評価基準

試験およびレポート・討論などの授業参加等により総合的に評価する。

準備学習
(予習・復習)

予習:問題点・未解明点などに関して、調べて、自分の考察を表現できるようにする。
復習:配布資料、教科書等で復習を行う(キーワードを自分の言葉で説明できるようにする)。論理的思考を介して、提示された生命問題に対し、考察を行う。
  

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 成長・成熟・性決定 高橋明義・伊藤道彦ら 裳華房 2,592円
細胞の分子生物学 第6版 (Molecular Biology of The Cell) Bluce ALBERTら Newton Press 24,084円
参考書 (なし)