【代謝学II】
(Biochemistry of MetabolismⅡ)
[生物科学科 3群 A選択 科目(配当年次: 第3学年 ) ]
 
単  位:2単位 単位認定者: 木村透
授業期間: 後期  15コマ 科目分担者: 内山孝司 斉藤康二 堤弘次
授業形態: 講義  週1コマ
 
授業の目的

代謝学Iで学んだ代謝の基礎事項を発展させ、基本的な代謝機構が細胞間や組織間で違うことや、それらがどのように連携して個体維持に寄与しているのかを理解する。さらに、代謝の変化と関連する疾患や、代謝異常によって引き起こされる疾患について理解する。

教育内容

糖、脂質代謝について概観する。アミノ酸代謝については新たに基礎事項を学ぶ。これを踏まえて、がん細胞で見出された糖代謝の変化(ワールブルグ効果)や、肝臓細胞のミトコンドリアと細胞質が連携して行うアンモニア処理、アミノ産代謝異常によってもたらされる新生仔関連疾患、化学浸透機構の特殊な利用によってなされる細胞発熱など、代謝機構を通して理解するべき生命現象について学ぶ。

教育方法

講義は、パワーポイントを用いてスライド形式で行う(適宜、板書あり)。毎回、プリントを配布。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回

糖代謝 (1) 〜ガイダンスと糖代謝の概論〜

木村、堤

ガイダンスと糖代謝の概論について学ぶ。

2回

糖代謝 (2) 〜臓器、組織における糖代謝の役割〜

脳と筋肉では主要なエネルギー源が異なる。臓器、組織ごとにどのように糖代謝を使い分けているかについて学ぶ。

3回

糖代謝 (3) 〜糖代謝と疾患〜

糖代謝の異常により引き起こされる様々な疾患とその発症原理について学ぶ。

4回

糖代謝 (4) 〜がん細胞における糖代謝〜

古くからがん細胞では糖代謝の異常(ワールブルグ効果)が知られている。糖代謝とがんの関係について最近の知見も交えて概説する。

5回

糖代謝 (5) 〜糖代謝のまとめ〜

糖代謝(1)〜(4)をふりかえり、知識定着のための小テストを実施する。

6回

アミノ酸とタンパク質分解

内山

細胞では、食餌を通して取り込こんだアミノ酸からタンパク質を合成し、また、必要に応じてタンパク質を分解している。この過程でのタンパク質分解過程を理解する。

7回

アミノ酸の分解・窒素成分の代謝

内山

アミノ酸の脱アミノ過程であるアミノ基転移反応と、酸化的脱アミノ、そして、酸化的脱アミノの結果生じるアンモニアを排出する機構について学習する。

8回

アミノ酸の分解・炭素成分の代謝

内山

アミノ酸の分解で得られた炭素骨格がエネルギー源となる過程について理解する。

9回

アミノ酸代謝異常による疾患

内山

アミノ酸の分解異化機構をよりくわしく把握し、それに関連する代謝障害疾患について学習する。

10回

アミノ酸からの生理活性物質の生成

内山

アミノ酸代謝により生合成される生理活性物質の代表的なもの(ヘムやモノアミン系神経伝達物質など)の生合成を、それらが機能する組織と関連させて理解する。

11回

脂質代謝(1)〜脂質代謝の概論〜

斉藤

脂質代謝の基礎事項を確認し、その概論について学ぶ。

12回

脂質代謝(2)〜脂質代謝と疾患〜

斉藤

脂質代謝の異常によって引き起こされる様々な疾患を紹介し、その発症原理から代謝経路について理解する。

13回

脂質代謝(3)〜脂質と生活習慣病〜

斉藤

生活習慣病(動脈硬化、肥満、がん)と脂質代謝との関係について学ぶ。

14回

脂質代謝(4)〜燃える褐色脂肪細胞〜

斉藤

エネルギー代謝、体温、体脂肪の調節などに寄与している褐色脂肪細胞について最近の知見も交えて概説する。

15回

脂質代謝(5)〜脂質代謝のまとめ〜

斉藤

脂質代謝(1)〜(4)をふりかえり、知識定着のための小テストを実施する。

 
到達目標

糖質、脂質、アミノ酸の代謝経路を、それらの連携性をも含めて説明できるようする。また、これらの代謝が行われる細胞や組織の違いをきちんと理解する。これを通して、生命維持が個体を構成する組織や細胞が連携して行う代謝の総体によってもたらされていること、そして、それらの変化によって個体も不可逆的に変遷してゆくことを実感する。

評価基準

定期試験(70%)と小テストまたは小課題レポートの提出(30%)により評価する。

準備学習
(予習・復習)

授業の前には、参考書の講義内容に該当する部分を予習することが望ましい。授業後は、その日のうちに授業内容全体を復習して理解を定着させるとともに、疑問点を明確にする。疑問点は教員などに質問したり、図書の資料を調べることで必ず解決すること。

その他

代謝学I を受講することが望ましいが、必須でなはい。

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 毎回、プリント資料を配布する。
参考書 ホートン「生化学」 鈴木紘一他訳 東京化学同人 7,140円
ヴォート「生化学」(上下) 田宮他訳 東京化学同人 各7,035円
細胞の分子生物学(Molecular Biology of The Cell) Bruce Albertsら Newton Press 24,084円